志摩市大王町波切1番地に鎮座する波切神社は、古くから海の安全や豊漁、地域の平穏を祈る氏神として親しまれてきた神社です。
神紋は「花菱」。4,505㎡の広々とした境内には清らかな空気が漂い、訪れる人を優しく迎えてくれます。
境内では、参拝者が陶製のハートを1人につき1つ、お守りとしていただけるという嬉しい習わしもあり、旅の思い出としても人気です。
毎年9月に行われる「わらじ祭」も波切神社を代表する伝統行事。
巨大なわらじを舞台で曳き、その後浜から海へ流すダイナミックなお祭りで、「波切のわらじ曳き」として三重県の無形民俗文化財に指定されています。
この祭りは、沖合に浮かぶ大王島にいた“大男・ダイダラボッチ”の悪行に困った村人(または韋夜神)が、「こちらにも大男がいるぞ」と大きなわらじを作って見せたところ、驚いたダイダラボッチが逃げ去った──という伝承に由来するものです。
海と共に暮らしてきた地域ならではの知恵と祈りが息づいています。
大王崎灯台にも近く、散策ルートとしてもおすすめの波切神社。
志摩の歴史と文化に触れられるこの場所で、心静かなひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。